Startups&Books -起業と本

起業と本についてのWebマガジン

経営者という仕事

 

あなたは「経営者」と聞いて何を思い浮かべるだろうか。

 

f:id:kinpiraninjin:20171222001610j:plain

www.weblio.jp

 

【経営者】 会社や商店を営む者。特に、会社事業を営む者。 

 

ひと口に経営者と言ってもそのタイプはさまざまで、毎日スーツをキメて誰よりも早く出社する経営者もいれば、僕のようにヨレたトレーナーとジーンズでギリギリに出社する(なんなら遅刻もする)だらしない経営者もいる。

 

もちろん僕みたいなのは、まだまだヒヨっ子で経営者の端くれにも置けない。逆に「いつになれば立派な経営者になれるのか?」と問われても正直「いつなんでしょうかねえ」と答えるしかないのが本音だ。

 

しかし曲がりなりにも「いわしくらぶ」という事業を2012年に立ち上げてから6年。細々と続けてきた。

 

f:id:kinpiraninjin:20171213200359j:plain

 

実際にやってみると「長く続けている経営者さんはすごい」と心から思うようになった。すごい。

 

儲かってるとか儲かってないとかは関係なしに「続けている」のがすごい。

 

「お前には向いていないんじゃないの?」

 

そんな言葉が頭をかすめることもあるが、逆に僕には会社勤めができない。そう、僕は消極的選択によって経営者という道を選んだのだ。

 

f:id:kinpiraninjin:20171222045447j:plain

 

運が良いのか悪いのか、僕の父もまた経営者だった。子供のころからその背中をみて育った僕は当然のように「いつかは僕も経営者になるんだ」と思っていた。その頃の僕はどちらかと言えば積極的選択によって、経営者という道を選ぼうとしていた。

 

そしてその積極的選択によって高校を中退(高校の恩師曰く「あんなに前向きに中退したやつは初めて」)、東京・江戸川区にあるちょっと変な本屋「読書のすすめ」で丁稚奉公。清水克衛(清水店長)という偉大な経営者の背中をみて2年間を過ごした。

 

f:id:kinpiraninjin:20170526013749j:plain

 

じつは当初は3年間という約束で丁稚奉公をはじめたが、2年を経て朝比奈隆(大阪フィルハーモニー交響楽団の創立者で日本を代表する大指揮者)の存在を知り、指揮者になりたい!と思い、清水さんに「ごめんなさい、指揮者になります」と言って辞めた。

 

それから地元に戻って通信制高校に再入学、音大入学を目指してみたものの気が変わって役者を目指すようになり再び上京。しかし、その時はなぜか東京の空気に馴染めず帰郷。そんな矢先に高校の先輩から誘われ、先輩が立ち上げた新規事業(映像制作の仕事)の立ち上げに参加。

 

そこで初めて会社勤めを4年間経験するわけだけれども、なかなか上手く働けず先輩に迷惑をかけながら過ごした(優しい先輩だった。申し訳のないことをした)。そして2年目に会社勤めを続けながら、いわしくらぶを立ち上げた。

 

f:id:kinpiraninjin:20171222050914j:plain

 

はじめは馴染みの喫茶店DALTONを間借りした。マスターとママに頼み込んで、金曜と土曜の夜帯に営業した。このへんのことはプロブロガーの鈴木拓さんが書いてくださった記事に書いてあるので読んでもらいたい。

 

laugh-raku.com

 

自分で起業をしてみたら楽しかった。

 

人を雇っていたわけでもないし、週末間借りするだけだから家賃も知れていた。DALTONのマスターとママにも甘えきっていた。会社勤めも続けていたから生活の心配をする必要もなかったし、営業を重ねるにつれてお客様も増えてきたので、ただ楽しかった。

 

そうして「そろそろ会社勤めはやめようかな」と考えていたときに、NPO法人ワークフェアの本見代表から声をかけてもらい、1年間そこの職員として働いた。その間、いわしくらぶの営業はしないことにした。かわりに北見の中心街にある「MASAKI」というオーセンティックバーで働かせてもらった。いわしくらぶを本格的に始めるために、飲食店での経験を積んでおきたかった。

 

そして2014年。先輩の会社、NPO法人、バーのアルバイトを辞して(当時は3つの仕事を掛け持ちしていた)独立。いわしくらぶというシーシャカフェを北見の中心街に出した。

 

f:id:kinpiraninjin:20171222051412j:plain

 

店を始めてみたものの資本力も知名度もない自分が当然稼げるわけもなく、なんと初月の売上は25万円(利益ではなく売上だ)。これで潰れない方がおかしい。しかし、なんとかやれた。友人や先輩後輩方、大家さんや街の知り合い。ここに書ききれないのが悔しいが、本当に多くの人が助けてくれた。

 

f:id:kinpiraninjin:20171222033052j:plain

f:id:kinpiraninjin:20171222045512j:plain

f:id:kinpiraninjin:20171222051350j:plain

f:id:kinpiraninjin:20171222045718j:plain
 

そして、はじめて人を雇った。雇ったというと偉そうだけど、高校の同級生が「手伝うよ」といって働いてくれた。絢奈ちゃんという女の子だ。

 

f:id:kinpiraninjin:20171222021715j:plain

 

(か、かわいい・・・)

 

そう、絢奈ちゃんは可愛いうえに気立てもよい女の子で、もちろんお客様からも好かれた。僕にしても雇っているというよりかは、むしろ助けてもらっている感じで、絢奈ちゃんが手伝ってくれるようになってからはとても楽になった。

 

少しずつお客様も増え、手伝ってくれるスタッフも増えた。

 

ときには絢奈ちゃんから「もっとしっかりしてよ」と叱責されることもあったし、絢奈ちゃん以外のスタッフが入るようになってからはなおのことだった。

 

f:id:kinpiraninjin:20171222061931j:plain

 

そのあたりからだろうか。経営というものについて考えるようになった。手伝ってくれるみんなにとって心地よい職場を提供したい。みんなの強みを活かしたい。お給料を払わなければ、というプレッシャーもあった。

 

f:id:kinpiraninjin:20171222045305j:plain

 

「経営者の仕事は給料日に従業員さんに給料を渡すことだよ」

 

読書のすすめ・丁稚奉公時代に出会ったとある経営者さんから聞いた言葉だ。極論をいえば、ちゃんと給料を支払えるならあとは遊んでいたっていい。ちゃんと払えるなら。

 

f:id:kinpiraninjin:20171222045532j:plain

 

経営者は責任を負う。リスクを背負う。そのリスクが大きくなればなるほど、経営者にはそのプレッシャーが重くのしかかる。僕も少しずつだけれども、そんなプレッシャーのようなものに取り憑かれるようになった。

 

「いかん。これではいかん」

 

過度のプレッシャーはよくない。視界を狭くする。経営者が内ばかりをみて外を見ないと会社のまえに自分自身が潰れてしまう。

 

「おまえ、経営者なんだろう?志が小さいから、プレッシャーなんてもんにヤラレてしまうんだよ」

 

忘れてはいけない。はじめに抱いたはずの大きな志を。

 

f:id:kinpiraninjin:20171222222528j:plain

 

道のない道を歩くためには羅針盤がいる。経営者は道のない道を先頭を切って歩く人のことを言う。そんな経営者の羅針盤は何か。それは志だ。

 

志はゆくべき方向を刺し照らし、霧のかかった明日をみせてくれる。

 

f:id:kinpiraninjin:20171222051942j:plain

 

志を忘れた経営者は、羅針盤を失った航海士と同じ。荒れくるう大海を当てもなく、ただ彷徨うことになる。いつ沈むのかと怯えながら。

 

「いつも凛としていろ」

 

読書のすすめ・清水店長がよく言っていた。凛としていろ。羅針盤を失いかけた瞬間、そんな言葉がぽっと浮かんだ。

 

「そうか・・・」

 

凛としていよう。大将。

羅針盤をもっているのはお前だ。

みんなが働きやすい環境をつくろう。

お客様に喜んでいただける場所をつくろう。

 

そして、いつか・・・

 

 

 

 

 

 

 

経営者という仕事。

 

それは絵に描いた餅を現実にする仕事。

 

f:id:kinpiraninjin:20171222052923j:plain