2012年に北海道北見市で『シーシャカフェいわしくらぶ』を立ち上げて、2017年には東京・水道橋に出店した。クラウドファンディングでも多くの方々に応援してもらい、おかげでこちらの店も軌道に乗りつつある(みなさん、ありがとうございます!)。
だけど店として至らないところはまだまだあるし、僕自身もいま『店長』から『社長』への変革を迫られている。精神的成長痛。正直くるしい。
なんとなく想像はしていたけど事業規模が大きくなったからといって、苦しみから逃れられるわけではない。成長したら成長したなりの苦しみがある。
だけど、苦しいことばかりでもない。タバコ1箱買うのにも迷っていた10年前から比べたら、だいぶましになった。これだけでも「生きててよかったよなあ」と思う。生きててよかった。
りねん?リネン?理念?
北見と東京。それぞれの店が軌道に乗りつつある今、僕らは会社としての体制をしっかりと整えようと準備をすすめている。そこで、まず手をつけたのが理念(りねん)だ。
理念ってあまり聞きなれない言葉だけれど、たとえば僕の好きなお茶漬けをつくっている『永谷園』という企業にはこのような企業理念がある。
味ひとすじ
潔い。そして、わかりやすい。ここまでシンプルに極められると、なぜか嫉妬心まで湧いてくる。
他にもみてみよう。
地元・北見市にある『トリトン』という回転寿司チェーンを運営する北一食品という会社の経営理念はこちら。
お客様の満足を喜びとし
仕事を通し働く人の物、
心の豊かさを追求することにより
地域社会に貢献する
ぼくが単純にトリトンが好きなせいもあるかもしれないけれど、「めっちゃいい会社」ってのが伝わってくる。そして実際、めっちゃいい会社です(←元バイト)。
と、さまざまな企業の様々な理念を昨年末から調べつつ、僕らの会社の企業理念(経営理念)についてながらく考えているんだけど、はっきり言ってかなり苦戦している。苦戦しまくっている。
いっそのこと「俺たちにそんなものはいらねえ」と投げ出してしまいたいのだけれど、「いや、やっぱりつくろう」とカフェでひとり静かに考えている。関わる人が増えると旗印のようなものがどうしても必要になってくる。
冒頭の話に戻るけれど、人生というものから苦しみが消えることはない。僕らは苦しみとともに生まれ、苦しみとともに死ぬ。その合間にちょっとだけ楽しみがあったりする。
東京出店の準備から2年が経った。あのころと同じような種類の苦しみは減ったけれど、また別種の苦しみがやってくる。この苦しみごと受けいれて、なんならそれを楽しみながら進むしかないんだろう。
「人生は喜劇だ」だれかが言っていた。そう、人生は喜劇なんだ。