言葉。
言葉はタダだけど、じつのところ、そんなに安いものでもない。
発話。
発話そのものは簡単だ。しかし、心まで通わせることはむつかしい。
東京。
昨夜、東京に戻った。ひさびさに帰る東京の店はすこし様子が変わっていて、あたらしい場所に生まれ変わっている最中であるように見えた。愛しい場所。
正月。
「人生はあっという間だね」娘と両親とわたしの4人で昼食に行ったとき、母が会話の流れでそう言った。人生はそんなに長くない。うん、長くない。娘が生まれてから、同じことを思うようになった。
時間。
わたしに残された時間。そして、わたしたちに残された時間。そのどちらもを意識したときに、なにをつくろうか。なにがつくれるだろうか。そうだ、言葉を紡ごう。それは祈りとして、そして、作品として。こころを通わせる発話。できるだけ会話も重ねよう。次はいつ会えるかわからないから。そうそう、みんなが集まれる場所も、これからだってつくっていこう。そこでつかう器もつくりたい。やさしい気持ちになれる器がいいな。うん。やれることはなんでもやろう。生きているうちに。この小さな命があるうちに。「茶は心」お茶の先生が言っていた。そうだ。大切なのは心なんだ。心を込めてつくっていこう。それができたら、きっと大丈夫だから。