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人と組織のOSを変える「場活堂」の泉さんによる場活を初体験

www.bakatsudo.co.jp

 

停滞している企業には次のサインが出ている。

  • 過去への囚われから、変化へのブレーキとなる「先入観」
  • マンネリ化した薄い関係性から生まれる「チームワーク」
  • 受け身や他責でも、安定したポジションが得られるという「組織文化」

 

これらを解決するためには

  • 「先入観」をもつ自分に気づき、先入観に囚われない思考方法を習慣化する
  • 信頼関係をベースにした本音のコミュニケーションの場を持つこと
  • 「自分が変わることで、現実は変わる」という気づきの場を作ること

 

「場活」は、こういった負の現実に向き合う場をつくりながら、

個人個人の「意識」にアプローチし、人と人の関係性を深める中で、

組織全体の風土を確信するプロジェクトである。

 

兄さんとの出会い

場活堂の泉一也さんは僕の兄弟子のような存在だ。

泉さんと僕は江戸川区にあるちょっと変な本屋「読書のすすめ」で出会った。

 

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起業したばかりの泉さんと丁稚奉公を始めたばかりの僕。

 

泉さんは当時31歳で、僕は16歳。

彼は京都大学卒業で、僕は中卒。

彼は高身長で、僕は低身長。

 

色々なものが逆だった。

だからなのか、当時の僕は(もちろん今も)「面白い人だなあ」と思った。

 

時が過ぎ、2017年4月。

そんな兄貴が、工事中の僕らのお店「いわしくらぶ東京店」にきてくれた。

 

▼いわしくらぶ東京店に関連する記事はこちら

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▲泉さんと「いわしくらぶ東京店」にて

 

「今度、久しぶりにドクスメでイベントをやるから聞きにおいで」

「はい、いきます」

 

僕は丁稚奉公時代を思い出して、二つ返事をした。

 

やる気スイッチを入れる話

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イベント当日。

泉さんは多くの聴講者を前に、マイクを握っていた。

 

「大脳にはやる気のスイッチがない。だから戦後以降、公の教育機関から始まる学習法ではスイッチは入らない」

 「よく考えてみてください。小さい子供って、教科書も何もないのに成長していきますよね」

 

人間社会には学校で学ぶいわゆる「形式知」の他に、「暗黙知(身体知)」という学習の概念がある。 

形式知 / 大脳 / Think ⇄ 暗黙知 / 身体 / Feel

人間はこれらを行き来させて学習し、成長する。

 

日本古来の学習というのは道場で行われていた。

つまり「身体知」を鍛えていたわけだ。

 守破離という言葉があるように、型を通して身体知を鍛える。

 

今の社会は形式知を重要視している。

だから、あえて「暗黙知を磨いていこう」と泉さんはいう。

 

気づきのコミュニケーション

商人でいえば「景気」を感じられることが大事。

例えば、海外で人気の漫画ベスト3は

 

1位 ドラゴンボール

2位 NARUTO

3位 ワンピース

 

みんな「気」を扱っている漫画だ。

 

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さらに世界に目を転じれば、映画「スターウォーズ」。

あれも「フォース」と呼ばれる架空のエネルギー体を扱っている。

 

みんな、あまり意識しないけれど無意識はちゃんと知っている。

人間には皆、フォースがあることを。

 

泉さんは場にある「気」を活性する仕事をしている。

いわば企業や地域に溜まった悪玉菌を善玉菌に変える仕事だ。

 

僕らいわしくらぶも、そんな良い「気」に満ちた場を作っていきたい。

そんなことを考えた夜だった。

 

 

欧米の企業がデザインファームを買収する理由 -「ブリッジング」という選択肢

「ブリッジング(bridging)」という言葉を聞いたことがあるだろうか。

 

 

前回の記事で書いたが、先日参加した『BRIDGING ブリッジング - 創造的チームの仕事術 -』の著者・広瀬郁氏と木下斉氏のトークイベントで、ぼくは初めてこの言葉を知り、興味をもった。

 

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 - peopledesign.or.jpより

広瀬 郁

株式会社トーン&マター代表取締役社長

東京生まれ。 東京理科大学 横浜国立大学大学院 建築専攻卒業。外資系経営コンサルティングファーム勤務を経て、2001年(株)都市デザインシステムに入社。 ホテル「クラスカ」ではコンセプトメイキングから事業企画・プロジェクト推進まで総合的なプロデュースを担う。 また事業再生ファンドに対して企画コンサルティングを展開。 2004年から執行役員として上海事業部を担当し、「ディアージュ」を総合プロデュース。 2008年株式会社トーンアンドマターを設立。 東京・札幌・福岡などで複数のホテル・商業施設の企画・ネーミング・デザインディレクションを手掛ける。 現在は上海万博で子供用施設の企画推進中。

 - idec.or.jpより引用

 

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▲イベント会場にて 

 

ブリッジングとは

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[Bridging; Bridge] ブリッジ、橋 

 

ブリッジングとはつまり「橋渡し」だ。

日本ではまだ馴染みのない言葉なのかもしれないが、この本ではその組織とクリエイターの橋渡しについて、組織側からの観点で広瀬氏が語っている。

 

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(以下、本書より抜粋) 

 ブリッジングとは、その事業やプロジェクトの条件に合うクリエイターを呼び込む方法です。メリットはたくさんあり、逆にデメリットはわずか。まだこのやり方が広がっていないのは、みんなが慣れていないだけだと思います。

 

クリエイターと手を組み、プロジェクトを立ち上げる。組織のもつ力を最大限に発揮しながら------。このシンプルだけど新しい仕事の進め方が、今までとまったく異なる新しい価値を生み出すはずです。

 

なぜ今、ブリッジングなのか 

正直なところ、多くの組織の人間はクリエイターと手を組むことについて「めんどくさい」と素直に思うだろう。

では、なぜ今の時代にわざわざ組織とクリエイターが手を組む必要があるのだろうか。

その問いに対する回答が以下だ。

 

カネやモノは、有形の資産。(中略)これまでの経営環境では、有形資産の増減だけに注力していればよかったのかもしれません。でも今は違う。欧米の大企業が知的財産を重視した経営戦略にシフトしつつあるのも、デザインファームを買収するといった動きがあるのも、有形資産だけでは厳しい時代に入っていることを裏付けています。

 

これからのビジネスでは、無形の資産がものを言う。アイデアやデザインといったクリエイターが得意とするアウトプットこそが、無形の資産にほかなりません。収益率の高い「資産」として、クリエイティブが経営に直結しつつあるのです。

 

つまり資金があっても、ハイスペックなマシンがあっても、そこにアイデアや創造性を持つ人が、つまりクリエイターがいなければ、イノベーションは起こりにくいということだ。

 

なぜなら、モノ余りの時代には(カネを含む)有形資産がコモディティ化して(溢れかえって)おり、有形の資産だけでは差別化することが大変難しい。

かつ、IT革命によって情報伝達のためのコストが劇的に下がっているおかげで、消費者が類似商品や事例を見つけやすくなっていたり、そのために組織の魅力が埋没しやすくなっている。 

 

ここでクリエイティブの出番となる。

オリジナリティと言い換えてもいいかもしれない。

自分たちだけの魅力(あるいは課題)を、組織とクリエイターががっぷり四つになって組むことで、発見(あるいは解決)できる。

 

 

ブリッジングプロジェクト3つの効果 

組織とクリエイターが結びつくことで以下の3つの効果が期待できると、著者は本の中で述べている。

 

  1. プロセス------“共に学ぶ”効果
  2. コモンセンス------“常識”が入ってくる効果
  3. カルチャー------染み付いた“文化”を変える効果

 

1.プロセス------“共に学ぶ”効果

ブリッジングプロジェクトは「アウトプットを金で買う」いわゆる外注とは違い、アウトプットが生み出されるまでのプロセスを共有することを重要視する。

本書で広瀬氏は「餅屋と一緒に餅をつくり食べる」と表現。

そうすることで、アウトプットを得られるだけでなく、プロジェクトが社内のノウハウやスキルの向上の糧になる。

 

2.コモンセンス------“常識”が入ってくる効果

ブリッジングプロジェクトの利点は、そもそも組織の輪郭からはみ出していることにある。

すぐれたクリエイターなら組織にある「大人の事情」にあえて気を使うことなく、「事業の意義や目的」に対して客観的な視点で、かつ真正面から向かい合う。

それが組織内に染み付いた(外からみた)非合理な常識を排することでリスクや無駄をなくし、新たなチャンスをつかむことにつながる。

 

3.カルチャー------染み付いた“文化”を変える効果

組織がクリエイターとプロセスを共に学ぶことは、言ってみれば体内に善玉菌を取り込むようなもの。それが組織の新陳代謝を促すことになる。

組織、企業の経営において、これからの時代に対応してゆくためには、今までのやり方を変えなければならない部分もあるかもない。

ブリッジングにはそんな「変えなければいけない部分」を変え、新たな組織文化をつくっていく効果があると著者は語る。

 

まとめ 

組織内にクリエイティブの芽が宿り、自浄作用をもちながら次の時代に進んでゆく。もしかすると、ブリッジングの効果は思っているよりも大きいのかもしれない。

 

 

木下斉×広瀬郁 トークセッション「まちを活かす“個人”の力」~書籍『ブリッジング』出版記念

http://peatix.com/event/271244/view

今日は上記のイベントに参加してきた。

場所は神田「HASSO CAFFE with PRONTO」。

 

広瀬さんと木下さんがそれぞれヨーロッパの先進事例を見てきたらしく、本の出版記念も兼ねた、その報告会的なイベント。 

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まず、広瀬さんの話

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広瀬 郁(ひろせ いく)

プロジェクトデザイナー、株式会社トーン&マター代表、NPOピープルデザイン研究所理事。建築学を専攻後、外資系経営コンサルティングファーム、不動産企画開発会社に勤務。ホテル「CLASKA」では総合プロデュースを担当。独立後は、事業計画とクリエイティブの融合を目指し、施設・まちづくり・都市計画を中心に、プロジェクト自体をデザインする企画業務に参画。企業・行政などの「組織」と才能ある「クリエイター」のコラボレーションを生むチームを組成し、多岐にわたる新奇性の高いプロジェクトを推進中。著書に『建築プロデュース学入門』『ブリッジング―創造的チームの仕事術』(日経BP)がある

 

これからは組織とクリエイター(才能ある個人)が組む必要性が高まっている。

今回の本では組織側の人材から外部へと働きかける立ち位置で整理した。

 

これまで日本は人口ボーナスで経済成長を遂げた。

 

  • 変化→安定
  • 創造→定型

 

本田宗一郎やSONYの井深さんは、あくまでもイノベーション(変化・創造)を求めてきた。

そのおかげで、安定・定型の時代が長く続いてきた。

 

なのでこれからの日本では、

 

  • 安定+変化
  • 定型+創造

 

が必要。

 

今ある安定・定型からふたたび変化・創造を求めて行く必要がある。

 

そこで、プロジェクトオーナーとプロジェクトチームがダイレクトな関係で繋がって行くことが大切になる(外注ではだめ)。

 

小さな組織を作る。そのほうが動きやすい。

 

  • プロセス
  • 常識
  • 文化

 

これらを変える。

そしてそれは、まちづくりにおいても同じ。

 

公と民の連携という流れにおいては個人のチカラが重要。単に制度だけの話ではない。

 

まちとアーティスト

最近、ヨーロッパに行っている。そこで面白かった話。

 

  • ミュンスター彫刻プロジェクト

10年に1度夏の間だけ開催されるのアートイベント。

同じディレクターがやってる。

招待されたアーティストは開催2年前から作品の置かれるまちの風景や歴史、都市のなりたちや問題などをあらかじめリサーチする。

シンポジウムなどを行い、アーティストは住民の町や芸術に対する考えを理解し、住民はその作家の作品の意味や芸術に対する考えを理解する。

 

プロジェクトについて画像を見せながら説明。

以下、概要。

 

  • ハコのなかではなく、街全体がアート空間
  • 公園だったり、川だったり、銀行だったり
  • いろいろな有名無名様々なアーティストが参加
  • スタッフは大学生のインターン

 

このプロジュエクトが訪れた人たちと地元民のコミュニケーションのきっかけにもなっている。

 

木下さんの話

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木下 斉(きのした ひとし)

一般社団法人エリア・イノベーション・アライアンス代表理事、一般社団法人公民連携事業機構理事、内閣官房地域活性化伝道師。高校時代に全国商店街による共同出資会社の初代社長に就任し、地域活性化につながる事業開発、関連省庁・企業と連携した調査研究事業を立ち上げる。このときの経験から、補助金依存と非成果主義に陥った日本のまちづくりに疑問を持ち、経営手法を用いるまちづくりを志す。現在、札幌市や熊本市のような政令市から、岩手県紫波町のような小さな町まで全国各地でまち会社の事業開発を推進。著書に『稼ぐまちが地方を変える』『地方創生大全』『まちづくりの経営力養成講座』など

 

日本のアートイベントって、とりあえず有名な芸術家を監督にして、その芸術家が可愛がっているアーティストを読んで、まちの人はよく知らないってパターンが多いですよね。札幌とか。

 

市民との対話がない。

 

日本のまちづくりの問題点って、スキームばっかり言う。「実行委員をどうつくるか」とか。

 

ここに「カフェをつくればいい」とかっていうんだけど、スタバ呼んできたり(笑)。

 

まちづくりとは、アセットマネジメント(不動産経営)である

重要なことは「誰が担当するのか」。

そこで優秀な人にやってもらうために、どのような経営をするのかということを考えよう。

地方創生ってよく言うけど、地方はそれなりにやってて、千代田区、中央区とか案外都内のほうが弱い。

 

地方でいえば、札幌とかは何の意味もない馬鹿広い駐車場とかつくったけど、これをどうするかってことを考えてる。

通過交通って害悪。

客でも何でもない奴が真ん中を通るのはやめよう、と。民と公が一緒になってやっている。

 

ヨーロッパ行ってきた

最近は年に1回はヨーロッパに行ってる。

今回はボルドーにいって内田さんという、ワインを作っている人の話を聞いてきた。

 

小さい町って不利だって言われているけど、人口が減るのは決して悪いわけではない。

小さい自治体、商売、家族経営だってやり方はある。

 

もともとこの町は石材、石を切り出して売ることで儲けてきたが、これ以上石を売ると地盤がまずいのでワインをつくろう、と。

 

日本はどこでも「薄利多売」でやってるけど、小さいところでちゃんと作っているならむしろ高く売るべき。

 

ヨーロッパが面白いのは、必ずどこかで栄華を極めた時代があって、そのあとで衰退してきた流れがある。そんな歴史があるまちには、これからの日本が参考にすべきところがある。

 

フライブルグなど、20万人くらいの規模の都市でも面白いことをやっている。

農村部は住民が主体になって公共住宅にしたり。

 

さらに「公共交通を盛んにするためには、車の利用者にとって不便にするべきである」という考えで、広い駐車場は郊外にあって真ん中はバスなどの公共交通が発達している。

 

ふたりのトークセッション

広瀬(以下、広):ヨーロッパとかいくと豊かだなって思う。イタリアにはスタバとかないし。小商いがちゃんと成立してる。家族経営の店とかいっぱいあって。

 

木下(以下、木):チェーン店って本当ない。生活協同組合が一番でかいくらいで。日本ではあんまりそういうものが評価されないよな、ってのはあると思う。「もっとでかいところを」って求めちゃって。ちゃんと地域にお金が残るようにまちづくりをしたほうがいい。

 

人口って数が重要視されてるけど、質が大切

木:日本はインフラより、もっとコンテンツに注力していったほうがいい。サンセバスチャンみたいに料理の学校作るとか。

 

広:若い人がなんかやろうとしてたら「支援しよう」とか、そういうのが必要だよね。

 

木:去年、網走行ったんですよ。そしたら、網走市長が「刑務所の空き家問題がある」と(笑)。

 

木:網走市としてはそこから固定資産税をもらっているから、それもある意味主力産業なんだけどそれが縮小しては困る、と。他にも「流氷がこない」とかね。ぶっちゃけ、海鮮丼なんてどこでも食えるんだから他の目的がないと、どれだけインフラが整ってても人はこなくなる。ちゃんとターゲット層を決めて、そこに向けたまちづくりをやっていかないと。「テレビでた」とか「新聞にとりあげられた」みたいな中身のない成果ばかりが評価されて、面白みのないコンテンツが増えているけど、それは避けたほうがいい。だから、人が訪れた数とかはどうでもいい。貧乏人が100万人きたら、むしろ迷惑だし。「インフラだけ使われて、全然お金落ちませんでした」みたいな結果にもなりうるからね。これって結構深刻で。観光では「富裕層呼ぼう」っていうけど、みんな富裕層がどんな生活してるか知らないんですよ。ネットワークなくて。富裕層の友達がいない。だから自分たちがアプローチできる顧客ってのをちゃんと考えて、そこに向けたサービスを作っていかないと。

 

広:町の人って案外、自分たちの魅力をわからないんですよ。僕みたいな東京っ子からしたら蟹って聞いただけで喜ぶのに、いざその町に行ってみたらデミグラスソースのハンバーグがでてくる、みたいな(笑)。 

 

というわけで、これから懇親会なので続きはまたそのうち。

気になった方はこちらの書籍もどうぞ。