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遊びが仕事になる時代

こんにちは、磯川大地(@isokawadaichi)です。 

 

先日、高田馬場にある人気のシーシャカフェ「ばんびえん」で行われた餃子パーティーに行ってきました。

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▲ばんびえんの入り口に貼ってあったポスター

 

「ばんびえん」ってなに?

ばんびえんとは東京・高田馬場にある1軒のシーシャカフェの名前だ。

ラオスという国のVang Vieng(バンビエン)という地名からもらった名前らしい。

コンセプトは「煙のある休憩所〜生きるために必要ない、でもあったらたのしーものたくさん〜」。

 

 

そのコンセプトのとおり「これは人生に必要なさそうだなあ・・・」というものが、店内のあちらこちらに置かれている。

 

ただ不思議なことに、席に座っているとそれがだんだんと居心地のよさに感じられて、まるで自分の部屋に帰ってきたような錯覚に陥る。

 

ここで初めて気付く。

「あぁ、これは無駄じゃないんだ」

 

人間が進歩するためには、まず第一歩を踏み出すことである。長い目で見れば人生にはムダがない(本田宗一郎)

 

僕らの人生に必要な「ムダな時間」を与えてくれる場所。

これが高田馬場にあるシーシャカフェばんびえんだ。

 

シーシャカフェばんびえんの餃子パーティ

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そんな「ばんびえん」が第2・第4日曜日の通常営業が始まる前に、シーシャ×〇〇〇のコラボイベントを開催している。

 

企画しているのは、この人。 

ばんびえんの企画隊長・中塚ゴンザレス勇希くん。

お店には毎週火曜日と木曜日に出勤している。

 

「こういった企画は5月の肉会から始めました!普段とは違うばんびえんを楽しんで欲しい」

 

「そもそもシーシャ好きの人々が、一つのイベントを目当てに集まる事で、お客様達がもっと繋がってもっとお店の仲間を増やして、お店に吸いに行くのがもっと楽しくなればいいな、と」

 

「今までは肉会、スイーツ会、ボードゲーム会とか、世界のミントフレーバー10種類を吸い比べる会をやってきました」

 

「そのうちお客様の企画持ち込み型イベントとかやりたいですね。アメトークみたいに、どのイベントをやりたいかプレゼン大会をやるとか (笑)」

 

勇希くんは目を輝かせながらそう語る。

 

シーシャカフェばんびえんの皆んなは本当にシーシャが好きだ。

お店に行ってもイキイキと仕事をしている。

それは「好き」を仕事にしているからだ。

 

 

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▲大阪の実家でもシーシャを吸う勇希くん

 

そして、そのなかでも勇希くんはシーシャだけでなく、色々な「遊び」を考えるのが好きだ。

だからこそ、こうやって色々な企画も出てくる。

そんな勇希くんに企画のコツを聞いてみた。

 

磯「勇希くん、どうやったら人気のあるイベントを作れるの?」

勇「大地さん、それはですねえ・・・」

 

勇希くんが教える人気のイベントをつくるコツ 

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  1. 自分が全力で「楽しい!」と思えることをやる
  2. 他人にとっても「楽しい!」と思えることをやる
  3. さらに当日は参加者同士が仲良くなれるような仕掛けをつくる

 

勇希くんの話を聞いて、僕は思わず膝を打つ。

なるほど。

自分が情熱を傾けられる分野とお客様のニーズが繋がるところで企画を打つわけだ。

 

話は変わるが、ここ十数年ITの発達によって情報伝達がとても楽になった。コストも下がった。

「○月○日に、xxxやるから集まれ〜!」

とTwitterで声をかければ、小さなイベントだって商売として成り立ってしまう。

 

だからこそ、プロは質の高いイベントを開催することが必要だ。

きっと、勇希くんの頭の中はいつも楽しい妄想でいっぱいなんだろう。

 

遊びが仕事になる時代

僕が子供のころ、遊びを仕事にできるのは「有名人、芸能人」だけだと思っていた。

だけど、いつのまにかそんな時代が終わりを告げ、我々一般市民にも遊びを仕事にできる時代がやってきた。

そのおかげで今、世間を見渡せばじつに様々な遊びが存在する。

 

しかし、その大原則は変わらない。

 

いかに楽しんでもらうか。いかに笑顔になってもらうか。

 

誰かを楽しませることができる人がその企画力と情報発信力によって、遊びを仕事にできる時代。

そんな時代に僕らは生きている。

勇希くんの話を聞いていて、そんなことを思った。

 

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▲ばんびえんで楽しそうに働く勇希くん

 

人と組織のOSを変える「場活堂」の泉さんによる場活を初体験

www.bakatsudo.co.jp

 

停滞している企業には次のサインが出ている。

  • 過去への囚われから、変化へのブレーキとなる「先入観」
  • マンネリ化した薄い関係性から生まれる「チームワーク」
  • 受け身や他責でも、安定したポジションが得られるという「組織文化」

 

これらを解決するためには

  • 「先入観」をもつ自分に気づき、先入観に囚われない思考方法を習慣化する
  • 信頼関係をベースにした本音のコミュニケーションの場を持つこと
  • 「自分が変わることで、現実は変わる」という気づきの場を作ること

 

「場活」は、こういった負の現実に向き合う場をつくりながら、

個人個人の「意識」にアプローチし、人と人の関係性を深める中で、

組織全体の風土を確信するプロジェクトである。

 

兄さんとの出会い

場活堂の泉一也さんは僕の兄弟子のような存在だ。

泉さんと僕は江戸川区にあるちょっと変な本屋「読書のすすめ」で出会った。

 

▼関連する記事はこちら

www.isokawadaichi.com

 

起業したばかりの泉さんと丁稚奉公を始めたばかりの僕。

 

泉さんは当時31歳で、僕は16歳。

彼は京都大学卒業で、僕は中卒。

彼は高身長で、僕は低身長。

 

色々なものが逆だった。

だからなのか、当時の僕は(もちろん今も)「面白い人だなあ」と思った。

 

時が過ぎ、2017年4月。

そんな兄貴が、工事中の僕らのお店「いわしくらぶ東京店」にきてくれた。

 

▼いわしくらぶ東京店に関連する記事はこちら

www.isokawadaichi.com

 

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▲泉さんと「いわしくらぶ東京店」にて

 

「今度、久しぶりにドクスメでイベントをやるから聞きにおいで」

「はい、いきます」

 

僕は丁稚奉公時代を思い出して、二つ返事をした。

 

やる気スイッチを入れる話

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イベント当日。

泉さんは多くの聴講者を前に、マイクを握っていた。

 

「大脳にはやる気のスイッチがない。だから戦後以降、公の教育機関から始まる学習法ではスイッチは入らない」

 「よく考えてみてください。小さい子供って、教科書も何もないのに成長していきますよね」

 

人間社会には学校で学ぶいわゆる「形式知」の他に、「暗黙知(身体知)」という学習の概念がある。 

形式知 / 大脳 / Think ⇄ 暗黙知 / 身体 / Feel

人間はこれらを行き来させて学習し、成長する。

 

日本古来の学習というのは道場で行われていた。

つまり「身体知」を鍛えていたわけだ。

 守破離という言葉があるように、型を通して身体知を鍛える。

 

今の社会は形式知を重要視している。

だから、あえて「暗黙知を磨いていこう」と泉さんはいう。

 

気づきのコミュニケーション

商人でいえば「景気」を感じられることが大事。

例えば、海外で人気の漫画ベスト3は

 

1位 ドラゴンボール

2位 NARUTO

3位 ワンピース

 

みんな「気」を扱っている漫画だ。

 

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さらに世界に目を転じれば、映画「スターウォーズ」。

あれも「フォース」と呼ばれる架空のエネルギー体を扱っている。

 

みんな、あまり意識しないけれど無意識はちゃんと知っている。

人間には皆、フォースがあることを。

 

泉さんは場にある「気」を活性する仕事をしている。

いわば企業や地域に溜まった悪玉菌を善玉菌に変える仕事だ。

 

僕らいわしくらぶも、そんな良い「気」に満ちた場を作っていきたい。

そんなことを考えた夜だった。

 

 

欧米の企業がデザインファームを買収する理由 -「ブリッジング」という選択肢

「ブリッジング(bridging)」という言葉を聞いたことがあるだろうか。

 

 

前回の記事で書いたが、先日参加した『BRIDGING ブリッジング - 創造的チームの仕事術 -』の著者・広瀬郁氏と木下斉氏のトークイベントで、ぼくは初めてこの言葉を知り、興味をもった。

 

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 - peopledesign.or.jpより

広瀬 郁

株式会社トーン&マター代表取締役社長

東京生まれ。 東京理科大学 横浜国立大学大学院 建築専攻卒業。外資系経営コンサルティングファーム勤務を経て、2001年(株)都市デザインシステムに入社。 ホテル「クラスカ」ではコンセプトメイキングから事業企画・プロジェクト推進まで総合的なプロデュースを担う。 また事業再生ファンドに対して企画コンサルティングを展開。 2004年から執行役員として上海事業部を担当し、「ディアージュ」を総合プロデュース。 2008年株式会社トーンアンドマターを設立。 東京・札幌・福岡などで複数のホテル・商業施設の企画・ネーミング・デザインディレクションを手掛ける。 現在は上海万博で子供用施設の企画推進中。

 - idec.or.jpより引用

 

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▲イベント会場にて 

 

ブリッジングとは

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[Bridging; Bridge] ブリッジ、橋 

 

ブリッジングとはつまり「橋渡し」だ。

日本ではまだ馴染みのない言葉なのかもしれないが、この本ではその組織とクリエイターの橋渡しについて、組織側からの観点で広瀬氏が語っている。

 

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(以下、本書より抜粋) 

 ブリッジングとは、その事業やプロジェクトの条件に合うクリエイターを呼び込む方法です。メリットはたくさんあり、逆にデメリットはわずか。まだこのやり方が広がっていないのは、みんなが慣れていないだけだと思います。

 

クリエイターと手を組み、プロジェクトを立ち上げる。組織のもつ力を最大限に発揮しながら------。このシンプルだけど新しい仕事の進め方が、今までとまったく異なる新しい価値を生み出すはずです。

 

なぜ今、ブリッジングなのか 

正直なところ、多くの組織の人間はクリエイターと手を組むことについて「めんどくさい」と素直に思うだろう。

では、なぜ今の時代にわざわざ組織とクリエイターが手を組む必要があるのだろうか。

その問いに対する回答が以下だ。

 

カネやモノは、有形の資産。(中略)これまでの経営環境では、有形資産の増減だけに注力していればよかったのかもしれません。でも今は違う。欧米の大企業が知的財産を重視した経営戦略にシフトしつつあるのも、デザインファームを買収するといった動きがあるのも、有形資産だけでは厳しい時代に入っていることを裏付けています。

 

これからのビジネスでは、無形の資産がものを言う。アイデアやデザインといったクリエイターが得意とするアウトプットこそが、無形の資産にほかなりません。収益率の高い「資産」として、クリエイティブが経営に直結しつつあるのです。

 

つまり資金があっても、ハイスペックなマシンがあっても、そこにアイデアや創造性を持つ人が、つまりクリエイターがいなければ、イノベーションは起こりにくいということだ。

 

なぜなら、モノ余りの時代には(カネを含む)有形資産がコモディティ化して(溢れかえって)おり、有形の資産だけでは差別化することが大変難しい。

かつ、IT革命によって情報伝達のためのコストが劇的に下がっているおかげで、消費者が類似商品や事例を見つけやすくなっていたり、そのために組織の魅力が埋没しやすくなっている。 

 

ここでクリエイティブの出番となる。

オリジナリティと言い換えてもいいかもしれない。

自分たちだけの魅力(あるいは課題)を、組織とクリエイターががっぷり四つになって組むことで、発見(あるいは解決)できる。

 

 

ブリッジングプロジェクト3つの効果 

組織とクリエイターが結びつくことで以下の3つの効果が期待できると、著者は本の中で述べている。

 

  1. プロセス------“共に学ぶ”効果
  2. コモンセンス------“常識”が入ってくる効果
  3. カルチャー------染み付いた“文化”を変える効果

 

1.プロセス------“共に学ぶ”効果

ブリッジングプロジェクトは「アウトプットを金で買う」いわゆる外注とは違い、アウトプットが生み出されるまでのプロセスを共有することを重要視する。

本書で広瀬氏は「餅屋と一緒に餅をつくり食べる」と表現。

そうすることで、アウトプットを得られるだけでなく、プロジェクトが社内のノウハウやスキルの向上の糧になる。

 

2.コモンセンス------“常識”が入ってくる効果

ブリッジングプロジェクトの利点は、そもそも組織の輪郭からはみ出していることにある。

すぐれたクリエイターなら組織にある「大人の事情」にあえて気を使うことなく、「事業の意義や目的」に対して客観的な視点で、かつ真正面から向かい合う。

それが組織内に染み付いた(外からみた)非合理な常識を排することでリスクや無駄をなくし、新たなチャンスをつかむことにつながる。

 

3.カルチャー------染み付いた“文化”を変える効果

組織がクリエイターとプロセスを共に学ぶことは、言ってみれば体内に善玉菌を取り込むようなもの。それが組織の新陳代謝を促すことになる。

組織、企業の経営において、これからの時代に対応してゆくためには、今までのやり方を変えなければならない部分もあるかもない。

ブリッジングにはそんな「変えなければいけない部分」を変え、新たな組織文化をつくっていく効果があると著者は語る。

 

まとめ 

組織内にクリエイティブの芽が宿り、自浄作用をもちながら次の時代に進んでゆく。もしかすると、ブリッジングの効果は思っているよりも大きいのかもしれない。